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100506

学資保険の「元本割れ」を巡る訴訟で和解が成立した、というニュースが10月末に報じられました。

契約者が受け取ったお金の額が、払い込んだ保険料の総額より少なかったため、

保険会社に差額分の返還を求めていた裁判です。

大阪高裁は保険外交員の説明不足を重視し、元本割れ分の返還を勧告。

保険会社がこれを受け入れたのです。

正直言って意外でした。

学資保険で元本割れする例は珍しくないからです。

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(1)契約から数年の間に中途解約すると元本割れが発生する。ただし解約せず満期を迎えればプラスになる

(2)満期を迎えても元本割れする――という2つのケースがあります。
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(1)は保険にかかる諸経費の影響だと思われます。まず外交員の報酬というコストが発生します。

また保険料の払込期間中に契約者が死亡した場合、残りの支払いが免除されたうえで満期金が受け取れる保障などにも経費はかかります。

このため、積み立ては「諸経費を引かれてマイナスの状態からスタートする」ことになるのです。

(2)は、(1)で触れた保障に要する経費が満期まで影響するケースです。

保険料の払込期間中に契約者が死亡した後、満期まで年間数十万円の「育英年金」が支払われるような契約では、

満期時に返ってくる金額が払込保険料の総額を下回ることになるのです。

さらに子供の入院保障を付加したりすると、元本割れの度合いはより大きくなります。

ただ今回の訴訟のケースでは、外交員が将来の支払いが確定していない「配当金」の額を大きく見込んだプランを提示していたことも想像できます。

高裁はその点も重視したのかもしれません。

さて、ここからは私の外交員経験に基づく見解ですが、

外交員が元本割れについてまったく言及しないことはないはずです。

後でもめたくないからです。ただ、説明を省略していることは十分考えられます。

例えば外交員が、満期まで元本割れしてしまうプランを提示したとします。

その際、「私は貯金が苦手だから、これ(学資保険)がいちばんだと思う」と、

払込保険料の総額と満期で受け取れる金額を比較することもなく加入を即決する消費者もいるわけです。

これに対し外交員も「保険なので保障にかかる費用もありますが、満期の設定は便利ですよね」と話を合わせ、

デメリットにも触れたことにするかもしれません。

保険を検討する消費者は、一般に自分の「予見」を肯定してくれる外交員を好むからです。

そういう意味で、外交員の「説明不足」は消費者の「思い込み」などと表裏一体の感があります。

では、どうすればいいのでしょうか。私は、消費者が素朴な疑問を持つことが必要だと思います。

そもそも進学時の資金を用意するのが学資保険の目的であるということを冷静に考えれば、

・育英年金など親の死亡保障は、別の生命保険で備えればいいのではないか
・子供の入院保障も関係ないのではないか
・要は進学資金を貯蓄できればいいわけで、保険会社とかかわらなくてもいいのではないか

――といった疑問がわくのではないでしょうか。

だとすれば、学資保険にこだわる理由は見つからないはずです。

さらに、学資保険など貯蓄目的の保険を検討する際は「保険会社を通して国債を買っている」図式をイメージすることです。

保険会社は契約者が払い込んだ保険料を、主に国債で運用しているからです。

すると・・・

「保険会社に諸経費を抜かれて元本割れするのであれば、自分で国債を買って運用する方がいい」

「保険商品ゆえに付加される保障機能は、貯蓄面ではマイナス要因だ」

と考えることができるはずです。

保険の存在意義は「貯蓄では対応できない不測の事態」に備えるための保障機能にあります。

この保障自体には、元本割れに関するトラブルが生じる必然性はありません。

例えば先ほど触れた「親の死亡保障」などに別の保険商品で備えるぶんには、

払った保険料は「リスク管理費」として認識され、満期金の有無などは関心事にならないはずです。

私は、このように保険に明快な保障機能だけを求める消費者が増えれば、

外交員の説明不足でもめるケースはかなり避けられると思います。

 

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