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「投資」と「投機」をどう区別するかは古くからあるテーマですが、論者によってまちまちの区別の仕方があります。

多くの場合、「投資」に善、「投機」に悪のイメージを重ねることが多いでしょう。

これに、「時間」の要素を入れて、「長期で保有するのは投資で、短期で売買するのが投機」とか、

「リスクの大きさ」を基準に、「リスクがそこそこまでのものが投資で、リスクがひどく大きいものは投機」というような区別の仕方もあります。

あるいは、インカム・ゲインとキャピタル・ゲインの区別にこだわって、「主としてインカム・ゲインの獲得を目指すのが投資で、キャピタル・ゲインを狙うのは投機だ」といったイメージを持つ人もいます。

しかし、インカム・ゲインとキャピタル・ゲインは、両者を「合わせて」総合的に評価するのが金融計算の基本で、

両者をイメージによって区別してしまうのは、明らかに不適当で、この区別は採用しない方がいいでしょう。

色んな考え方がありますが今日は、「投資」と「投機」を、経済的な性質の違いで区別して考えてみましょう。

何らかのリスクを取って経済的な生産活動に資本を提供する行為を「投資」と呼び、

お互いの見通しのちがいに賭けるゼロサム・ゲーム的なリスクを取ることを「投機」と呼ぶことで、両者を区別してみます。

たとえば、企業の株式を持つことは、その企業に資本金を提供して、企業がその間に稼いだ利益の配分を受けようとする行為です。

主に企業の業績が順調であれば、時間の経過と共にプラスのリターンを得ることが期待できます。

但し、投資した株価が高すぎたり、投資した後に企業の業績が想定外の悪化を見せたりした場合には、

満足なリターンが得られないばかりか、損をすることもあり得ます。

この際に、市場では投資家がリスクを負担する対価として追加的な期待リターン、

即ちリスク・プレミアムが、リスク資産の価格が下がって形成される形で提供されることが期待できます。

期待リターンはあくまでも、リターンの「期待値」です。

必ずこの通りに実現するとは限りませんが、資本市場の参加者がリスクに対して回避的であれば、

より大きなリスクに対しては、より大きなリスク・プレミアムが対応して、リスク資産の価格が決まることになると理屈上は期待できます。

これが、いわゆる「ハイリスク、ハイリターンの原則」の仕組みでしょう。

「ハイリスク、ハイリターンの原則」は、ある種の自然科学的な法則のように、「計算結果が(ほぼ)必ず実現する」と期待できるものではありません。

価格の形成に誤りがなければ、さらに、その後に起こることが不運でなければ、

平均的にはリスク・プレミアムが実現すると期待してもいいのではないのか、というような「緩い法則」です。

これは「微かな傾向」と考えるくらいで、丁度いいのかも知れません。

とはいえ、リスクを取ることに対して、追加的なプラスのリターンが期待できることの効果は、特に長期的な資産形成を考える投資家にとっては小さくありません。

他方、「投機」は、たとえばある商品の将来の価格がどの程度上昇するか・下落するかについて、市場に参加している者どうしで、お互いの見通しの違いに対して賭を行います。

典型的には商品先物取引に見られるような、リスクの負担は、リスクを取ったからといって、これが追加的なリターンで補償されると期待することができません。

たとえば、ある商品の、「売り方」と「買い方」は、共に同じ大きさのリスクを逆方向に取っていて、両者の損益の合計はゼロです。

また、この取引では、最終的に損益の清算が行われますが、それまでの間に資本が提供されている訳ではありません。

現実的には、証拠金や担保を差し入れているかも知れませんが、これらは将来の契約の清算を確実にするために存在するに過ぎません。

この種の「資本の提供」ではないゼロサム・ゲーム的なリスクにあっては、

自分が逆の見通しを持つ参加者よりも正しい見通しを持つことが出来ると期待できる場合にのみ、

リスク負担に対してプラスの追加的なリターンを得ることが期待できます。

しかし、逆の見通しを持ってマーケットに参加している人も同様に思っているのかも知れませんし、この場合、両者が共に正しいことはあり得ません。

ゼロサム・ゲーム的なリスクを取るのだとしても、これが、リスク・ヘッジに使える場合があって、社会的に無駄な訳ではないし、

そのリスク・ヘッジが可能にする生産活動があるだろうから、ゼロサム・ゲーム的なリスク・ポジションの一方にリスク・プレミアムが発生する可能性はあります。

しかし、特段の前提情報がない場合の初期の期待値としては、この種のゼロサム・ゲーム的なリスクにはリスク・プレミアムがないと考えておくべきです。

将来の価格を巡るゼロサム・ゲームのリスクは、価格変動のリスクを負っているという意味では、「投資のリスク」と同じに見えますが、

資本のプライシングを通じてリスク・プレミアムの獲得が期待できる後者とは、明らかに異なる性質のリスクで、こちらを「投機のリスク」と呼んで、「投資のリスク」と区別するのが分かりやすいでしょう。

「投機のリスク」は、自己の責任の下にこれを負う限りにあって倫理的な問題はないんですが、

リスク・テイクの一般論としては、リスクを拡大しても、期待リターンが増えないのだから、「有利なリスク・テイク」ではありません。

一般論として、特に、長期的な資産形成にあっては、「投機のリスク」を取ることは有利とはいえません。

具体的な例を考えてみましょう。

「株式投資はギャンブル?」と問われたら、皆さんはどうお答えになりますか?

「株式投資にはリスクがあり、株価は大きく変動することがあるので、特に損をすることがあり得る点について、ギャンブルに参加するのと同じくらいの『覚悟』を持って参加すべし、という意味で、投資未経験の方には『株式投資はギャンブルだ』といってもいいと思います。

たとえば典型的なギャンブルとして競馬の場合、JRAの控除分(連勝式の馬券で25%)を除いた馬券の売り上げを、

馬券を買った人同士がゼロサム・ゲーム的に取り合うので、馬券の回収率は75%となります。

ところが、株式投資の場合は、投資した金額が、たとえば1年後にその105%の価値になって返ってくることが一応は期待できます。

つまり、株式投資は『期待回収率が100%を超えるギャンブル』だと考えることが出来ます。

もちろん、リスクはあるので、これを有利なギャンブルだ、と考える人だけが参加すればいいだけです。

どのリスクが「投資のリスク」でどのリスクが「投機のリスク」なのか、という観点で、「投資」と「投機」について、

自らの考えを持ち整理をしておくということはとても大切だということがわかるでしょう。

 

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