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30代の保険加入者が事故で脊髄を損傷。要介護状態が180日間続き、給付金85万円と介護保険金1700万円を支払った――。

ある保険会社がホームページで紹介している「お役に立った保険金・給付金」の事例の一つです。

こうした話はほかの保険会社や代理店もよく使いますが、肝心な情報が抜け落ちています。

どれくらいの確率で発生する事例なのかが分からないのです。

保険金・給付金はどれくらいの確率で支払われるのでしょうか。

ライフネット生命保険の2013年度実績から、商品別の支払い件数を年間の保有契約件数で割って試算してみました。

年間保有契約は12年度末と13年度末の件数を足して2で割ったものとします。

解約・失効した契約などは無視した、あくまで簡易的なもので、結果は表の通りです。

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給付率の評価については、少し説明が必要でしょう。

ライフネットの死亡保険金の発生率は、ほかの保険会社の10分の1程度だとみられます。

同社は08年に営業を始めた新しい会社で加入者の契約継続年数が短く、かつ加入者の平均年齢も37歳と若いためでしょう。

ただ入院給付金や入院療養給付金の4~5%は、業界の単年度実績に近いという印象です。

あまり参考にならない結果になりそうだと思いつつ、あえてこんな試算を示したのは、

私が知る限り「商品別の支払い実績」を開示している保険会社は同社しかないからです。

例えば30代で要介護状態になる確率が100万人に1人なのか100人に1人なのかによって、

保険で備えるべきかどうかという判断は変わるはずです。

ありとあらゆるリスクに備えて保険に加入していたら、消費者はお金がいくらあっても足りません。

保険は高い買い物なのに、支払いが発生する確率も明らかにせず

「保険に入っていて助かった方がいました」

というエピソードで共感を誘う手法には疑問が残るのです。

「実際に保険のお世話になった方にとっては、それがまぎれもない事実。保険選びに確率論はなじまない」――。

私の疑問に対し、こう反論する業界関係者もいますが、保険と確率は不可分の関係にあります。

例えば「持病がある人でも入れる保険」の保険料が一般の商品より高めに設定されているのは、

給付金を支払う確率が高いからに違いありません。

ほかの商品でも、保険料を決めるのは確率に基づいた数理計算です。

そして保険金などの支払い確率を開示しない一方で、販売に役立ちそうな確率は前面に出すのも保険会社なのです。

「女性の患者数は男性の約1.35倍!」「2人に1人ががんになる時代」とパンフレットなどでうたっているのがいい例です。

保険会社も、消費者が「保険が役に立つ確率」に関心があることを意識している証拠でしょう。

消費者にとって、実際に事故や病気になって保険金が支払われた加入者のリアルな事例には心を動かされることも多いでしょう。

しかし「本当に保険料負担に見合う価値があるのだろうか」という冷静な判断ができなくなる恐れもあります。

「そういうケースが人ごとではないことは分かりましたけど、具体的に保険金が支払われている確率はどのくらいなんですか?」

と営業担当者に聞いてみるくらい費用対効果にこだわってもいいのです。

保険会社が「女性の患者数は男性の約1.35倍!」などと強調するデータは厚生労働省など公的なものが多いのですが、

これには保険に加入できない健康状態の人も含まれます。

保険会社が自社の保険金・給付金の支払い実績をきちんと示す方が、消費者にとっても説得力のあるデータになるはずです。

消費者と保険業界の双方で情報公開の機運が高まることを期待します。

 

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