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今月も国の年金制度について考えます。

老後の中核は、やはり国から受ける年金収入だからです。

私たちは国の年金制度をどう捉えていけばいいのでしょうか。

私たちにとって国の年金制度は安心や信頼というより、不安や心配の印象が強いと思います。

重要性やありがたみを伝えるものはほとんどありません。

かといって役所のパンフレットを読んでいると、「支え合い」「助け合い」といったキーワードが多く、

若い世代にとっては「高齢者は支えられるけど、我々は支えるだけではないか」というイメージがしてきます。

豊かな老後は「基礎的出費=公的年金」「ゆとりや豊かさ=自分で準備」という住み分けで実現しようと整理していますが、

国の年金についてはもっと前向きに考える必要があります。

そのためには正しい理解が必要です。

11月は年金制度の啓発を行う「ねんきん月間」でもあります。

この機に合わせ今月は一般的な年金の常識(誤解)を氷解させたいと思います。

「年金額が下がっても、死ぬまで年金がもらえるならOK」という話です。

下がってもいいなんて意外かもしれませんが、今は「長すぎる老後」の時代であり、その備えはとても大変です。

国の年金制度に最も重要なのは「何十年でも生きている限りもらえる仕組み」なのです。

平均寿命と会社の定年年齢の差をみると、1960年(定年55歳)の男性の平均寿命は65.3歳であり「セカンドライフは約10年」というイメージでした。

1980年に定年を60歳としたときの男性の平均寿命は73.4歳まで伸び、「セカンドライフは13年」でした。

10年程度のセカンドライフなら

「公的年金で基礎的な出費をまかない、退職金を毎年7~10%くらい取り崩して旅行などに出かける」

というやりくりが成立します。

準備不足の場合は、子に頼ることも考えられます。

子どもも10年くらいなら親の面倒を見ることが可能でした。

ところが、今は「老後は20年」に達しています。2010年の男性の平均寿命は79.55歳ですから、定年との差はぴったり20年になっているのです。

現在は、ようやく65歳まで働ける社会になりましたが、定年との差を15年に戻したにすぎません。

しかも、実際に65歳まで存命の人は平均寿命より長生きします。

65歳に到達した男性は約19年、女性は約24年の老後があるのです(以上、厚生労働省簡易生命表より)。

老後が長いということは、趣味やボランティアなどに長く取り組めることでもあり、一見すると喜ばしい話です。

しかし、経済的な問題として考えれば仕事で収入を得られなくなった無収入の期間が超長期に及ぶということです。

22歳から65歳まで43年働けるとしたら、「現役時代2年ごとに老後の1年分の生活費をためる」ようなノルマを課せられてしまいます。

これを個人が全額行うのは不可能です。

だからこそ公的年金の役割があるのです。

先ほど、平均的な老後は「男性で19年、女性で24年」といいましたがこれは平均です。

それより短い人と長い人がいます。「X年を見込んで老後の資金を準備したが実際はそれより長かった」となれば、どうなるでしょう。

資金不足の問題が生じます。

実は平均的な老後より長生きする可能性は確率的に無視できないほど高く、かつ長期化する可能性があるのです。

90歳時点での生存率は男性が23.1%、女性が47.2%です。

簡単にいえば4人に1人の男性、2人に1人の女性は25年以上の老後を意識した資金準備が必要ということです(男女を平均すれば約3人に1人に相当)。

特に女性の場合、95歳時点でも23.4%の生存率で、4人に1人は30年を意識する時代になっているほどです。

老後が10年か20年か30年かなんて、65歳時点では誰にも分かりません。

今は存在しない医療技術が進展すれば寿命がもっと延びるかもしれません。

しかし、65歳時点でリタイア生活に入るなら、お金の準備はそこまでに終える必要があります。

統計を参考に20年分の老後の生活費をためておいたとしても、30年以上長生きし、預金通帳の残高がゼロになったとしたらどうでしょうか。

経済的な備えが底をついても、公的年金は2カ月に一度振り込まれ、何十年でも続きます。

100歳でも110歳でも停止されることはありません。

国の年金が「終身年金」であるおかげで、超長寿の老後でも私たちは生活を続けることができます。

国の年金には想定以上の長寿になったとき、生活を続けられるようにする重要な役割があるのです。

約16万円程度の厚生年金月額であっても、20年もらえば3840万円です。

30年の老後になればその分受取総額は増え、なんと5760万円も国からもらえます。105歳まで長生きし40年受け続ければなんと7680万円になります。

どんなに長生きしてもいくらでももらえる仕組みは、民間の年金保険ではほとんど実現できません。

(このあと述べるインフレ対応も含めるとほとんど不可能)

毎月の年金額がある程度減額されたとしても、30年後や40年後の給付が約束されていれば、老後のリスクヘッジとしてはアリなのです。

もうひとつ「長すぎる老後」の不安要因があります、それはインフレです。

21世紀に入ってから、モノの値段は上がるどころか下がる傾向が続きました。

しかし、こうした20年は歴史的に珍しく、経済が成長していく中、モノの値段は上昇していきます。

例えば1965年と現代を比較すると、約50年で消費者物価指数は約4倍になっています。

つまりモノの値段は4倍に値上がりしたということです。

1965年には喫茶店でコーヒー1杯が71.5円、ノート1冊が30円、牛乳瓶1本が20円だったそうです。

値上がり幅は4~5倍に相当することが分かります。

いくらお金をためても、急激なインフレがやってくると現金の価値は低下します。

銀行が十分な利息をつけてくれればいいのですが、追いつかない場合も十分に考えられます。

このとき、公的年金はインフレに対応する力があります。

現在は給付調整を行うため、インフレより年金増額幅を抑えることとしていますが、それでも2%のインフレなら1%弱は増額する形で追随します。

民間の年金保険や個人資産の弱みはインフレ対応ですが、20年以上に及ぶ老後を下支えするのが国の年金制度なのです。

実際に年金生活に入っている高齢者が国の年金に助けられているのは、必ずしも年金額が高いからではありません。

「生きている限り受け続けることができる」ことの安心に支えられているのです。

国もこの役割をやめてしまうつもりはありません。

年金水準の見直しはむしろ、「終身年金は絶対に維持する」ために行っているといえるかもしれません。

これにより、個人の老後準備でも「長生きのリスクは国に任せる」「標準的な老後のゆとりや豊かさを自分で備える」という住み分けができるのです。

豊かな老後を実現できるのは「国の年金がもらえるから」なのです。

 

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