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少額投資非課税制度(日本版ISA=NISA)の予約が活況で銀行及び証券会社が壮絶な争奪戦を繰り拡げていますが、

NISAには意識的に埋め込まれた「ある制度上の欠点」がある、、でもそれは多くの人は人は語らない。

そもそも、なぜ欠点が作られたのでしょうか。

日米の投資信託のコスト差や、NISAのお手本となった英国での抜本的な投信改革の状況も見ながら考えていきましょう。

金融庁幹部の話によると「NISAの機能の一部を、わざと使いづらくしていますよね」。

幹部は「そうしないと、投信の状況を改善できませんから」と。

「欠点」の詳細は後で書きますが、通常なら投資家は「“お上”が投資のあり方に口だしするな」と憤るべきでしょう。

しかし、今の投信販売はそうも言い切れない領域に入っている可能性があるという現状を知って欲しい。

実際に多くの証券マンは「投信販売は20年前より悪くなった」と嘆いています。

とある投信を参考にしますが、(実際に今でも販売されている商品です)

基準価格が運用開始した2008年9月から今年8月末まで、

日本株(配当含む)の上昇が12%にとどまる中で96%も上昇、優良ファンドとして受賞もしています。

そんな「いい投信」だからこそ、誠実に販売してもらえるところで販路を拡大しようとしていますが、なかなかうまくいっていないのが現状です。

例えば証券会社の担当者などからこんなことを言われるそうです。

「うちは、投信はだいたい半年たつと売って(乗り換えて)もらうんです。本当に長期投資なら、うちじゃない方がいいんじゃないですかね」

その投信は販売手数料の上限が低めだからなおのこと。

保有し続けている間ずっとかかる運用管理費用(信託報酬=販売後も約半分が金融機関に入り続ける)もアクティブ(積極運用)型投信としては安い。

「手数料が低いと、やる気が出ないんだよね」というのも、金融機関からよく聞かされる言葉です。

「銀行が投信販売を始めた後、投信はじっくり売られるようになると期待された。でも実際は違った。銀行も手数料重視のビジネスモデルになった」

銀行でも「個人営業部門に来て『なんか変だな』と思ったんですよ」という話は他でもよく聞く話で、

「変って何ですか」と聞き返すと、

「要するにお客のためのビジネスになってないんです。もうかりそうなストーリーを組み立てやすい投信で、手数料の高いものを売っている。こういうビジネスって、長続きしないんじゃないかと思います」

「販売の人間はどうしても手数料の高くとれるものを売ってしまう。それなら、売る投信の手数料を最初の段階では販売員に隠して売らせればどうか、と提案したことがあります。すると現場から『我々を信頼してくれてないのか』と大反発されて実現しませんでした」。

それから「……信頼できないから言ったんですけどね」と苦笑した・・・という話もあります。

ここで冒頭の「ある欠点」に話を戻します。

NISAにはそもそもお手本となった英国(ISA制度)と違って非課税期間が原則5年という大きな欠点があるりますが、

それは財政当局との交渉でやむなくそうなったもので、今後恒久化される可能性も色濃く存在します。

それとは違って、あえて意識的に埋め込まれた欠点があります。

購入した金融商品はいつでも売却できるが、その分の非課税枠を使って再投資はできないことです。

例えば100万円の非課税枠でA商品60万円、B商品40万円を買った場合。

Bを売却しても、その分の40万円で再投資はできません。

つまり商品の買い替えや資産配分の見直しが難しいんです。

同じように、分配金が払われてその分元本が減っても、減った分の非課税枠で再投資することはできませんから。

これはNISAをかなり使いづらくしている。英国ではこんな制約はありません。

NISAがそうされたのは実は裏があるようで、、

「再投資が可能な仕組みにすると、金融機関が販売手数料目当ての乗り換え販売をするし、相変わらず分配金を運用益以上に出すことで売れ行きを高めようとする」(金融庁)という危機意識から生まれているようなんです。

「だからと言って制度を使いにくくするのはおかしい」と言いたくなるが、一方には乗り換え販売が今も続いていることを疑わせる状況があります。

投信評価会社モーニングスターの朝倉智也社長は「新規に作られた投信の多くで、販売開始後半年がたつと、純資産が急に急減し始めるケースが多くみられる」と指摘しています。

半年というのは、「乗り換え販売」批判に対し、購入後半年以内の乗り換え勧誘を自主規制している会社が多いからで、 そこに「高コスト問題」が加わります。

最初の販売でも、乗り換え時でも、やはり手数料が高いものが優先されがちな点があります。

松井証券の松井道夫社長は昨年6月、日本経済新聞電子版の「ここが変だよ日本の投資信託」というコラムで「日本の投信は投資家のためではない。売り手である証券、銀行のためのものだ」とばっさり書いてますから。

運用益以上に払われ続ける分配金を「タコ配」と非難し、投信の手数料がデフレの中で上がり続けていることを憂いています。

「販売手数料の自由化後、(松井証券が)それまで2~3%だったのを一律1%とし、信託報酬も顧客に戻す方針を発表したところ、(運用会社から)『そんなことをしたら他の販売会社が困り、ウチの投信の販売を誰も引き受けなくなってしまう』と言われ、投信の商品供給が途絶えてしまった」

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実際、日本の投信のコストは上昇基調だということがわかります。

投信評価会社モーニングスターによると、販売手数料は12年末で日本が2.7%、米国が1.6%(グラフA)。

運用管理費用は日本が年率1.4%に対し米国の運用管理費用(総経費率)は0.8%だ(グラフB)。

ちなみに米国では一つの投信でも売られ方でコストは多様で、

例えば「シェアクラスA」という売り方では販売手数料が5%近い一方で運用管理費用が低かったり、

逆にシェアクラスBは販売手数料がないぶん、運用管理費用が高かったりします。

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販売手数料の高いシェアクラスAの残高は3割強あります。

一方でクラスAやBとはまた別に、販売手数料ゼロで運用管理費用も低い「ノーロード」と呼ばれる投信も残高の3割近くに達し、

投資家が選べる状況で選択の豊富さが米国の特徴でしょう。

コストの国際比較は簡単ではありませんが「全体的に見る場合は、個人が買える分野すべての加重平均で比べるのが一般的だ」(投信評価会社リッパー・ジャパンのアナリスト、篠田尚子氏)。

グラフAとBは、個人が買える投信全体での加重平均の数字。

機関投資家向けや、確定拠出年金、ETF(上場投信)などは両国ともに除いてあります。

ちなみに米国で、シェアクラスAのようなコストが高い分野があるにもかかわらず、

加重平均ではかなり安いのは、「コストを意識して低コスト投信を選ぶ投資家が日本より多いという表れ」(朝倉社長)でもあります。

どんな投信が選ばれているかは、供給側だけではなく、投資家側に突き付けられた課題だと言ってもいいでしょう。

投信は米国では独立投信アドバイザー(IFA)を通じて売られることも多く、その場合は原則的に別途、サービスに応じた費用がかかります。

これを含めると米国のコストは上積みされますが、

IFAを使わない人も多いし、継続的に資産管理の助言をするIFAの費用と、

販売時に一度だけ説明する日本の金融機関の販売手数料はなかなか一律に比べにくいでしょう。

日本でも一部のファイナンシャルプランナー(FP)法人が顧客の資産管理の助言を行い始めましたが、

その場合はやはり別途、預かり資産に応じて費用がかかります。

NISAでは今、各金融機関が顧客を囲い込むために、販売手数料の無料化などの施策を競って打ち出しています。

しかしこれで投信全体の手数料が一挙に下がり始めているとは言い切れず、

NISA以外で取り扱われる新規投信の販売手数料は過去よりも高めの3.5~4%程度の水準に高騰している例も多くみられます。

「NISAはシステム費用や広告費がかかる割にあまりもうからないので、ほかで補うという動きがあり、コストは二極化し始めている」(篠田氏)。

そうであるなら、NISAを使う狙いとして非課税メリットだけでなく、相対的な「低コスト」という側面も重視していいのかもしれません。

NISAの母国、英国では今年から、運用会社からIFA(独立アドバイザー)に自動的に手数料が払われてきた仕組みが原則的に廃止され、

報酬は投資家とIFAが個別に話して決めることになっっています。

投資家のコストについての意識を高めることが大きな目的で、

「販売側の激烈な反対を押し切り、数年がかりでやりとげた」(英トムソン・ロイターのアナリスト、エド・モイソン氏)。

同様の投信販売改革の動きはオーストラリアやオランダなどにも広がりつつあります。

また投資家のためにならないハイリスクな金融商品などを、

英国金融庁が最初から販売を規制する「商品介入」(product intervention)と呼ばれる動きも数年前から始まっていいます。

商品や投資手法に関しての当局の「介入」をどこまで認めるかは難しい問題。

しかし、NISAを使いづらくした「欠点」が生まれた背景は、投資家が金融商品を選ぶうえで頭に入れておきたいものです。

「米国の投信のコストが安いのは、突き詰めれば、販売規模が大きいからこそできること」(篠田氏)。

日本もそうなれるかは、NISAが大きく、しかも健全に育つかどうかが重要なカギを握っていると言っていいでしょう。

 

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